前2回とも東武沿線の山に登ったので、今日は指向を変えて西武沿線の奥武蔵の山に行く事にしました。そしてもう少し高度のある山と云う事で、「埼玉県の山」のガイドブックから大高山を選びました。
昨年足繁くクライミングで北川の岩場に行った、同じ時刻の電車の乗り継ぎです。武蔵野線は東京競馬が開催されいてA台駅から立ちん坊です。所沢からはいつもの快速急行で吾野駅まで。西武線は空いていて、沿線の街並みが朝日を浴びて輝いている。
8時15分に吾野駅に到着。駐車場をストレートに直進、小さなトンネルを抜けて線路の反対側に出るが、このトンネルが判りづらい。一旦階段を下りて回り込んで行くのですが、まるでおとぎの国に設えてあるようなホントに小さなトンネルです。しかも暗いので夜は怖いだろうな〜。
山裾に造成された墓地(法光寺メモリアルパーク)に沿って行くとすぐに登山道。案内板が控えめに立てある。杉林のジグザグした結構な急登を快調に歩を進める、ハイキングの再開で少しは足腰が鍛えられたか、息も上がりません。鬱蒼と立ち並ぶ暗い杉林を40分くらい登ると前坂峠に到着です。
気持ちの良い尾根道を辿り一旦降ると林道に出、案内板に導かれて再び尾根道をひたすら登ります。結構急な小ピークを2つばかり越えると、標高493mの大高山に到着です。ここまで人に会わず静かな山旅でしたが、休憩して水分を補給していると、山岳ランの青年に会いました。
同じコースを走って?来たと言うので多分1本遅い電車なのでしょうが、すごいスピードで登って来た事になります。何やらメモをしています、聞くとコースタイムを書き込んでいるようで、長谷川カップ等にも出ているようで軽快なスタイルです。とても感じのいい青年で、写真をブログにアップする事を快く了解していただきました。青年は飯能まで行くと言う、若々しく疾走して風の様に消えて行きました。
気合を入れなおして天覚山への稜線を辿る。ここからの尾根道がこのコースのハイライト、気持ちのいい山歩きが楽しめる。いくつかのピークを踏みながら静かな山歩き、聞こえる音は野鳥や風の嘶き、そして遥か下界の奥武蔵の山並みを畝って走る秩父線の電車の音。
やがて傾斜が緩んで大岩が出現する、岩の右側を巻いて行くのが普通だがクライマーは敢えて直登、「危険」と記された下降もなんて事のない岩場だった。暫く尾根道を歩いて振り返ると、大高山が低山でありながらもその急峻な頂きを天に突き刺している。
基本的には尾根歩きだが所々痩せていて、油断は出来ない。また杉の大木が何らかの理由で薙倒されていて、自然の力の脅威を思い知らされた。アップダウンを繰り返しながら高度を上げると露岩を右から巻いて木立の中の天覚山の山頂に立った。
この山頂で暫し大休止、西側が開けていて、棒ノ折山、大岳山、三頭山、御前山等奥多摩の山々が悠然と聳えております。視線を東に移すと、武蔵野の大地がどっしりと横たえております。先日の降雪で雪が残っていると思い、軽アイゼンを用意したが、ほとんど雪はなくとんだお荷物だった。
下りは2手に分かれているが、左の尾根道を行く事にした。明るい坂道を一気に下る、西側が開けていて東吾野の集落を望みながら、静かに降ります。途中何度かクシャミニ襲われスギ花粉の飛翔が始まったようだ。程なく沢沿いの道と合流して、アスファルトの車道に出て山登りの終了。およそ3時間程の道程でした。
東吾野の駅前には、「吾野原木センター」があり、この地方が林業で栄えている事を物語っています。実に立派な杉の木が、林業労働者の手によって綺麗に選別されて積まれていました。
今日の山行は、結構アップダウンがあって、良い汗をかきました。何だか、クライミングの出来ない憂さを晴らすような前回のハイキングと違って、邪念の無いハイキングの楽しさを久方ぶりに思い出しながらの、山歩きだったような気がいたしました。山歩きのモチベーションは確実に上がっている。