連休の3日から甲府幕岩に行ってきました。初めての岩場で楽しみだったのですが、期待にたがわず、取り付きも平ら、日当たり充分、静かで自然がいっぱい、
その上グレードも自分にはピッタリと3拍子も4拍子も揃った、素晴らしい岩場でした。
1日目 メルヘンランドのエリア
朝新宿駅で「あずさ」
にぎりぎり間に合って、甲府で乗り換え竜王に向かう。甲府の駅では登山者がちらほら、目的の山岳に思いを忍ばせています。私もいつぞやはそんな仲間の1人だったような懐古の念を抱きながら、各駅に乗り換える。
竜王ではK合さんご夫妻がお出迎え、一路町並みを抜けて岩場に向かう。曲がりくねった山道の萌え始めた新緑の中を進み、ダートの普通車でも心配の無い道を、10分ほどで駐車場に到着。O先生お待ち兼ねでした。
天気はまあまあ
、身支度を整えて早速岩場に出撃。急な下り坂をトレースし、岩場全体をご案内してもらう。美しい凝灰岩がそれこそ幕状に広がり、自然にコーディネイトされていて気持ちがいい。取り敢えずメルヘンランドをベースにしてアップする。
まずK合さんお勧めの「HIVE」10・Aを登る、アプローチのロングバージョンで気持ちのいいルートです。その後「メイプルの涙」10・C、「ダダ」10・B、ピッコロ10・Dなどをオンサイトして、ベースを豊饒の森エリアに移しクライミング。
昼食後、下部がいやらしい「ピリカ」10.B/Cをオンサイト、道筋を誤ると嵌りそうなルートで、結構苦労しているパーティーもいました。そして今日の課題「岳でキョン」11・Cにオンサイトトライです。
何とかオンサイトの記録を伸ばしたい私、純粋の11.Cはまだなので気合が入る。しかしカチホールドで得意系とは思いながら、初見ではムーブを見つけ出せない、核心の1手で右手が止められずフォールです[:がく〜:]。無残にもこの時点で初11・Cは露と消えた。
「岳でキョン」は、この後今回の最大のバトルへ発展していく第1ラウンドとなるとは露知らず、皆さんチャレンジしていくのでした。
O先生のチャレンジ、何んと5年越しのトライとか本当かな?所がお付き合いがいいというのか、私と同じく核心で嵌ってしまいました。次なるK合さんも、Mさんも見事に嵌り全滅。幕岩はイメージしていたより難しいかもしれない。
私の2便目手順は頭に入っている、左サイドのカチホールドに耐え、右足で乗り込み右手が水平ホールドに手が届いたが、保持できずにまたもやテンション、
何となく雰囲気はあったのですがRPならず厳しい。
結局何とか3便目でようやくRPしたが、指先がやられてしまい次なるターゲットの「コジマン」11・Aでは1ピンクリップして耐えられずドテンション、その上も各駅になってしまい完全に終わってしまいました。
夕暮れで撤収、お腹も減り楽しみのK合さんの手作りの料理がまっていました。七輪で焼いたしいたけ、ピーマンそしてみりん干し、極めつけはK合さんがこの山で調達した、新鮮なタラの芽のてんぷらは絶品です。そして飲むお酒も勿論うまい。
ただしチト飲みすぎた私には翌日地獄が待っていた。
2日目 豊饒の森エリア
地獄の朝は釜揚げうどんを食べると間もなくやって来た。ムカムカ来たが間に合わず、走りゲロ、胃の中に入っていたものは全て自然の元に。決して強くないお酒をその場の雰囲気に飲み込まれ、気が付くとこのダーティーな有様。
全くもって学習能力なし!我ながら呆れてしまう、こまったものですなぁ〜。
岩場でもゲロは続き、岩陰で黄色い胃液まで出した、苦しいったらありゃしない、暫くは寝て曜日?でも無く、全てを吐き出すと多少元気が出てきました。ウコンの元も飲み『落っくゲロは無しよ』と揶揄されながらも「イエローマウンテン」5・9をオンサイト、やる気になってきたぞ。
しかし降りてきてロープを引くとありゃりゃ、引けども引けども降りてこない?これは完全にやってしまったかなと、観念して再び登る、Mさんに証拠写真も撮られ万事休すです、参ったなぁ。
で、終了点に行くとなんだ、ロープを右のビナからかけた為、端っこがビナに挟まった状態になっていた。珍しいことも有るのですね。まあ疑いは晴れたが、これは慎重に登らないといけませんなあ。
ウコンが利いてきたのか、気持ち悪さも消え「わささび」10・Bと「WORK ON」11・Aをオンサイトして、今日の私にピッタリの「ダーティークライマー」にオンサイトトライする。
ロープ結びOK、折り返しOK、ゲロOKでスタート。下部は何のことも無いスラブ、被りの手前のレストポイントで先のムーブを読むが良く判らない、取り敢えず行ってみてと進むけれど、右のカンテのガバが意外とバランスが悪い、
ここは一旦戻りお酒でいかれた頭で考える。
再度登るがやはり右手のカンテが気に成りながらも、力ずくでいこうとしたら左の溝にアンダーが掛かるではないか、これで右手がガバに届き進む、次のホールドもガバだがバランス悪く、もう持久力もそろそろ無くなる、最後の力を振り絞ってクリップ、そして終了点。もうぎりぎり二日酔いのオンサイト。やっぱりいかれてますかね!
さて「岳でキョン」に挑戦中の先生、この日もやはり登れず一度は封印を決め込んだはずだったが、Mさんがこの日のトライで私とは違う絶妙な核心のムーブを発見、力に頼らないスキルがこのとき生まれた、名づけて「岳の」Mさん返しの誕生です。(まぁこの我々4人の中だけの話かもしれませんが・・・・)
この技をまんじりともせず見ていた先生、封印したはずなのに何故か取り付きにはミュウラーが置かれていて、やる気満々。そしてトライ、核心ではやはりそのMさんムーブのパクリで、
難なく解決してしまった。そしてつぎに左トラバースでもMさん「あっ!あれも私のパクリだ」と言って牽制する。いやはや凄いバトルになってきた。
結局この日はお互いの足の引っ張り合いで共倒れ、明日に持ち越しの様です。まあ見ていて楽しいやら、信頼しているもの仲間同士の面白い一コマでありました。このあと私は「ワイルドとっとちゃん」10・B/Cを登り終了。
今日は久し振りで下界に降りて、山宮温泉に入りこの2日間の汗を流す
、ついでに夕食も頂く。鉄火ドンと刺身定食はメチャ美味しい、お勧めです。今夜のお宿はいろいろ行き違いはあったものの、小泉商店管理の太刀岡山荘。性懲りもせずビールで乾杯、11・Cお祝いのゴチをさせて頂きました。
3日目 安近短(12・A/B)
お酒控えめな昨日、充分睡眠もとって体調は万全、何とかさわりたい12.Aでテンションが上がっています。岩場では昨日と同じパーティーが既に登っている。「なべちゃん」5・9と「アイソメトリック」10・Cでアップする。
ルートファインディングが難しいという「シリコロカムイ」10・Dを登る、確かに上部でいい加減に登ると、左トラバースが読みにくい、オンサイトが掛かっているので慎重にムーブを確かめ、終了点。
天気が思わしくなく今にも雨が降りそうです
、急いで念願の12・A/B「安近短」に取り付く、下部が核心で細かく足置きに神経を集中するが、やはり12クラスは半端じゃない、2ピン目が掛けられず予想どうりのテンションです。
ガイチで掛けてムーブを探るけれど、核心のムーブは出来ない、本当に微妙な足捌きが要求されます。雨の心配もあって長々とやってられないので、はしょって上に抜けるが、上部は簡単で、下部のムーブさえわかればRPで来そうです。
さて「岳キョン」のバトルは、お互いに牽制し合いながらも、最後のトライで先生がRPして決着、先生のパクリ勝ち?
。Mさんは今日で既に6日目のクライミング、指が完全に剥けていてホールドを保持できないところまで来ていました。今回は無理をせずということで痛み分かな。
今回、初めての幕岩でありましたが、記録も残せてほんとうにいいクライミングが出来ました。これもK合さん夫妻、先生のお陰です。有難うございました。
また次なる幕岩第2ラウンドが楽しみです。