新潟の残雪の火打山・妙高山から帰ってきました
充実した内容のある雪山だった
5月7日(土) ☂のち☁ 笹が峰から火打山
前日の夜に笹が峰駐車場に到着
睡眠不足をよそに6時起床
生憎の雨模様
雨具を着て登山口を出発
雨に濡れた木道を歩き黒沢橋までこ1時間
12曲りの急騰を40分位
雨具を着たり脱いだり忙しい
雪面はしっかりしていて歩きやすいが
何分3日間のテント泊装備
20k近い荷が歩を拒む
黒沢岳の西斜面をトラバースするころには
雲に隠れた火打山のすそ野が見え隠れする
5時間の道のりでやっとテント場の高谷池ヒュッテに到着
やれやれ
風よけのブロックを積み上げ、テント場を整地して
エスパースの4人用テントを設営して
1時過ぎに火打山目指して再出発
天気は相変わらず良くなく
火打の頂上はすっぽり雲に隠れている
30分ほどしてOさんの膝が悲鳴を上げ
Kさんが付き添いで撤退する
私とYさんとで強風の中を頂上アタック
尾根に出て風も強くなり
ガスで視界も遮られ微かなトレースを追いながら
2時間ほどで頂上にたどり着いた
隣の焼山の噴火の硫黄の匂いがする
展望も何もなく
ほどなく下山開始
走るようにして霧の中を下り
登って来たトレースを頼りに40分ほどでテント場に戻って来た
1日目にしては結構ハードな行程だった
Kさんの食担で美味しい皿うどん
ワインとウィスキーで乾杯!
夜は強い風で何度か目が覚めた
5月8日(日) ☀高谷池ヒュッテから妙高山
快晴の朝、焼山の噴煙がのろしを上げている
Yさん食担のミネストローネで栄養補給
7時半に出発、アイゼンを付け
やや凍った雪道を快適に茶臼山を目指す
東側がすっぽり切れ落ちている黒沢山稜線をトレース
やがて急斜面の懐に黒沢池ヒュッテが覗かれる
コルの斜面で1本入れて水分補給
大倉乗越しまでの三田原山の急斜面をアイゼンを効かせて登る
100mほど行きすぎて大倉乗越に戻り
長助池への急斜面をバックステップで下降
落ちると結構やばい
急下降して長助池の湿地帯に降りる
夏道は大きく左に旋回するルートだが
トレースも見いだせず、おまけに落石が落ちていて危険
ゆっくり最低部まで降りて妙高山の西北の斜面に取りつく
大倉乗越しで確認した大きなクーロアール上の斜面を行くことに
小休止したダケカンバの丘に色あせた雨具やシュラフが落ちていた
険しい妙高の北峰の壁を仰ぎ見ながら
ピッケルとアイゼンで前進する
北側の2400mの2つのピークと北峰のコルに夏道が在ると想定して
北峰直下の雪壁を左にトラバースして行くと
ようやく全く雪のない夏道に出た
左から偵察しながら登っていたYさんと声をかけながら合流
パーティー全員がコルにたどり着いた
真っ青な空に飛行機雲が十字を切って描かれている
やがて、眼前に地蔵岳
そしてその背後に後立山の山々が展望する北峰に着いた
東側の展望も素晴らしく野尻湖の湖面がキラリとしている
まるでボルダリングが出来そうな
岩塔の間を回り込んで南峰を尋ねた
北峰に戻って昼食し、暫し休憩
記念の集合写真をタイマーモードでパチリ
頂上まで5時間の行程
なんとか頂上を踏むことができた
山座同定もそこそこに下山開始
下りは忠実に夏道を辿る
300m程下ると雪の下に隠れ登りのバリエーションのルートをトレースした
帰りも長助池の盆地で小休止
大倉乗越しのラインを確認する
大倉山からの谷筋のライン
右から3番目の雪壁を登ることに
Oさんが先頭で取り付く
団子になりやすいアイゼンを外しているので
キックステップを深く蹴り込んで登る
途中でKさんと交代して大倉乗越しの稜線に到着
ここで小休止
ところがKさんがザックに腰を下ろした瞬間に
雪面が陥没して小さく穴のあいたシュルンドにザックが消えた
スワッ!
ザック救出作戦開始
Yさんの30mロープ
笹でクレイムハウストの支点を構築
Yさんをイタリアンヒッチでシュルンドに降ろし
無事Kさんのザック回収
いやはやびっくりなアクシデント
雪山では想像のつかないことが起こるのですね
一段落して大倉乗越しだが夏道が見つからない
仕方なく笹藪を漕いで夏道の斜面に飛び出た
西日に緩んだ雪面をゆっくり歩き
黒沢池ヒュッテをスルーして
茶臼山の夏道の稜線をアルバイト
雪の消えた道が思いのほかかったるく足が重い
すでに10時間を超えた行動時間で
結構よれよれになって高谷池ヒュッテに5時に帰還
冷たい泡茶が飲みたいと
小屋のスタッフに「ビールください!」と言ったら
「GWですべて売り切れてアルコール類はなにも有りません」
その瞬間期待感が失われ土間に崩れ落ちた
それでも気を取り直して夕食の支度
Oさんの野菜鍋で舌包みを打ち
残りわずかなYさんのウィスキーで乾杯
テントの中は暖まり本日の山行を讃えあった
思えば厳しい妙高北西ルート
宿のスタッフが「この時期に妙高を登るパーティーは少ないよ」
「みんな大倉乗越しで帰ってくるよ」との話で
ちょっぴり雪山の力量にとパーティー山行の意義を再確認した
快晴だった天気に感謝です
外に出てみると焼山の噴煙がうっすらとオレンジ色に染まっていた
5月9日(月) ☁ 高谷池ヒュッテから下山
この日は帰るだけの行程
ゆっくり起きてKさんの朝食は定番の日本食
梅干し、シャヶの切り身、キャベツと白菜の塩コンブ揉み、お味噌汁
さっぱりしたお味で元気もでる
テントを撤収してうす曇りの空を見ながらテント場とお別れ
3日間ありがとうございました
帰りしなオーストラリアから移住してきたというご夫婦と対談
近場の山を歩いているという
黒沢岳をトラバースして富士見平
来た道なのにルートファインディングに迷い
地図を見ながら右往左往
登りと下りでは周りの景観が全く違って油断できない
それでもピンクテープが見つかり夏道に戻る
12曲りまで来て一安心、只管笹が峰駐車場を目指す
木道を囲むブナ林も新緑には程遠い
黒沢橋を越えて火打山登山口に到着
頑張った雪山の終わり
皆さん、その手をタッチして「ご苦労さんでした」
で、その後杉野沢温泉の「苗名の湯」450円の温泉に入り
Yさんお勧めの中野村の蕎麦村で昼食
てんぷら付きでお安く美味しかった
終わりよければすべてよし、仲間に恵まれ良い残雪期の山行でした